【木工Q&A】無垢の木を買ったら必要な防虫処理って?

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趣味の木工ではホームセンターなどで入手しやすい杉や松、桧を始めとした製材・乾燥・プレーナー済みの綺麗な木材を使用することが多いです。また合板を始めとした木質材料やSPFなどの集成材を使用することも多いです。

こうした綺麗に加工の済んだ木材では内部に虫が潜んでいる可能性は極めて低いですが、無垢の木(※)を購入した場合はキクイムシなどの虫が内部に潜んでいる可能性があり対策が必要です。

※ホームセンターで販売される杉や松も無垢の木ですが、ここでは人工乾燥やプレーナーなどの加工済みの木材以外をまとめて「無垢の木」と表記しています。

無垢の木の外側の白太あるいは辺材と呼ばれる部分(樹皮に近い場所)には小さな穴が空いていることがあります。多くの場合これは「虫食い」と呼ばれ、虫が食べ進んだり卵を産み付けたあとです。既になかに虫がいない場合もありますが、外から見てそれを判断することはできません。キクイムシなどが活発に活動する暖かい時期には穴から木くずがポロポロとこぼれ落ちますが、寒い時期になるとそのような目で見てわかるような兆候は一切見られません。一方で木の中心に近い芯材では虫食いの被害がほとんど見られないことが多いです。無垢の木や一枚板といっても高価な虫食いもなく防虫処理も施され適切に管理されたものもありますが、特に趣味の木工では安価で多少難があるような木材を使用することも珍しくありません。

そのため無垢の木を購入した後は耳や木の外側は綺麗に切り落としてしまうか、殺虫剤を使った防虫処理が必要です。なお、虫食い穴をパテや塗料で塞いでも別の出口を見つけたり通常の塗料では食い破られる可能性がある点に注意が必要です。

防虫処理には2通りの方法があります。1つは簡易的な防虫処理で虫食いの穴に殺虫剤を注入する方法です。もう1つはよりしっかりと殺虫できる方法で、木全体に殺虫剤を塗布する方法です。

簡易的な防虫処理

簡易的な防虫処理ではホームセンターや通販で簡単に手に入る殺虫剤のなかでも、甲虫類に効果を示すものを選択します。また小さな虫食い穴の奥まで薬を届けるために細い金属ノズルがついたものがベストです。定番の商品であり私自身も使用しているのがこちらのシロアリ用の殺虫剤です。これを虫食い穴に差し込んでしっかりと噴射します。

殺虫剤を塗布する方法

殺虫剤を塗布する方法は、甲虫類に効果のある殺虫剤のなかでもシロアリやキクイムシへの効果が示されているものを使用します。園芸用にもよく使用される定番商品が「スミチオン」です。安価で少量しか入っていませんが、1000倍に濃縮して使うためかなり長く使うことができます。スミチオンは揮発性があるため、使用する際には屋外や十分な換気、防毒マスクの着用が推奨されています。魚毒性があるなど一般的な農薬同様に説明をよく読み注意して使用する必要があります。

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