木を加工すると大きな削りカスから小さな粉まで幅広い木くずが発生します。このなかでも特に細かな粉状の木くずである「粉塵」が問題となります。この粉塵は吸い込むと肺のなかに残存しつづけ喘息をはじめとした呼吸器の病気につながります。
塵肺は粒子状の無機物(石や金属など)を吸い込むことで起こります。木を始めとした有機物は肺のなかで取り込まれ徐々に消化し体外に排出されますので塵肺は起こりませんが、肺の中の気胞の炎症の原因となり咳や呼吸困難などの呼吸器系の疾病の原因になります。これは仕事として木工を行っていない趣味の木工家にとっても注意すべき点で、粉塵を吸い込んだ後に咳が出たり呼吸がしづらくなって息苦しくなった経験がある方も多いと思います。
そのため趣味の木工においても集塵システムを構築してそもそも粉塵が舞わないようにしたり、防塵マスクを着用して粉塵を吸い込まないようにする必要があります。集塵システムの構築は難しく、工具の取り回しや集塵ホースの取り回しなどで苦労することが多いです。また集塵システムを構築したところ100%の粉塵を集塵できるわけではないので防塵マスクは必ず着用した方が良いです。
防塵マスクには使い捨てとカートリッジの取り換え式がありますが、中長期的には取り換え式の方がお得になるうえ装着感も良くしっかりとフィットするので取り換え式がおすすめです。また、取り換え式であれば有機溶剤用の吸収缶を取り付けて防毒マスクとして使用することもできます。油性塗料や溶剤臭のきつい接着剤を使う時にも使用できてとても便利です。