最高のPCデスクを作る

木工

長年の長時間にわたるデスクワークの経験で感じた不満をすべて解消する最高のPCデスクを製作しました。これを設置するスペースとして、使用していなかったクローゼットを取り壊しました。全体の流れは動画のなかでお見せしていますが、この記事では最高のPCデスクのポイントについて紹介したいと思います。

0.前提

PCデスクに求められる要件は作業中の姿勢やオフィスチェア、デスクとの位置や高さの関係、作業時間などによって変わってきます。1日数時間しか作業しない場合や、毎日のようにデスクに向かうわけでないのであればそれほどこだわらずとも不満はでないかもしれません。むしろモチベーションを高めるためにオシャレなデスクに仕上げる方が求められるかもしれません。

また、オフィスチェアはキャスター付きで可動するかどうか、作業中に肘を浮かすか置くか、肘置きを使うかどうかなどによってもデスクに求められるものが変わってきます。私は毎日のように10時間以上はPCに向き合って作業しており、作業姿勢は椅子に深く座ってデスクの下に肘置きが入るほどデスクとの距離を近くして天板のうえに腕を置いて作業しています。

1.薄いこと

PCデスクはとにかく薄ければ薄いほど良いです。

ぐにゃぐにゃと剛性を損なってはいけませんが、厚かったり引き出しがついていたりするとオフィスチェアの肘置きと干渉してストレスが溜まります。今回制作したデスクは幅170cm奥行き80cmと畳1枚分ほどの大きさがあります。普通のテーブルでこの大きさの天板となると厚さは50mmを超えてきますが今回は30mm弱まで薄くすることができました。

構造は表面に使用した硬く重い南洋材(メルバウと思われる)が12mmほどで、これを18mmの合板に貼り合わせました。やや剛性に不安はありましたが、電動スタンディングデスクの脚に取り付けたところ問題なく、モニター3台をアームで取り付けても問題はありませんでした。動画中では省略しましたがアームを取り付ける部分には追加で補強を入れています。

2.軽いこと

長時間のデスクワークには電動スタンディングデスクが便利ですが、私が使用している電動スタンディングデスクは少し古いモデルで耐荷重が70kgしかありません。畳一枚分ほどもある大きさの1枚板のデスクでは耐荷重ギリギリか、硬い木を使えば天板だけで耐荷重を超えてしまいます。

また、今回は作業場からオフィスへの運搬の必要もあったため極力軽量にするため表面にのみ硬い南洋材を使用してそれ以外は合板を使用しました。

3.表面が硬いこと

テーブルの表面には硬い木とウレタン塗装が必要です。私は筆圧が強いこともあって、広葉樹であっても柔らかめの木のデスクで何か書き物をすると紙を破いてしまったり書きづらいことがあります。軽くする条件とは相反しますが表面は硬い木を使う必要がありました。

今回は硬い南洋材を薄めにスライスして貼り合わせることで対応しました。またせっかくこのような構造にすることもあって板を縦方向に配置してよくある一枚板のデスクとは木目の方向を変えてみることにしました。薄くスライスした木材をボンドで貼り合わせる場合には、ボンドの水分で急激に反りが発生するためビスケットを多めに入れたビスケットジョイントとし、トリムの取り付けにもビスケットを二段使用して個別の板が好き勝手に反らないよう対策しました。

4.奥行きがあること

今回製作したデスクは奥行き80cmほどあります。私の作業時の姿勢がデスクに腕を置いて深めに座る姿勢のため、最低でも80cmの奥行きがないとモニターとの距離が近すぎたり手元のスペースが狭すぎて不便だったためです。

オフィスチェアの肘置きに腕を置くスタイルや、そもそも肘を浮かすスタイルなど作業姿勢やモニターサイズと配置、そしてどれだけ長時間作業をするかによって必要な奥行きが変わってきます。

5.正面のトリムに柔らかい木をつかうこと

キーボード操作時に腕が天板に乗る部分には桐を使用しました。桐は非常に柔らかく、それこそ爪を立てるだけでガリガリと削ることができ、簡単にへこみができるほど柔らかいです。毎日10時間以上ヘビーに使えばすぐにボロボロになりそうですが、それを差し引いても桐を選択しました。ボロボロになったら簡単に交換できるよう、実用性重視でむき出しのビス止めで固定しています。

硬い木はたとえアールをつけて大きく面取りをしても長時間の作業では机と触れている腕が痛みますが、柔らかい木を使うだけでかなり痛みを軽減できます。今回はニスで仕上げたため柔らかさが感じにくくなっていますが、硬い木と比較すればずっと良いです。

6.ニスで仕上げること

私は作業をする時々で姿勢や位置が変わるのですが、都度マウスパッドを使用するのは面倒くさいです。最近はマウスの性能も向上してマウスパッドの出番も減ってきましたが、オイル仕上げなどの木の天板は季節によって動いたり、湿度に応じて滑りが変化するなどマウス操作でストレスに感じることが多いです。

綺麗なニス仕上げをすることで、常に硬質なマウスパッドを使用しているのと同じ使用感でマウスを扱うことができます。

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