コンクリートの水分が多すぎたり少なすぎるとどうなる?

ガーデニング

DIYにおける厄介な存在のひとつが「コンクリート」の打設です。一度施工すれば後からやり直しは効かないし、処分はお金がかかります。購入して持ち帰るのも一苦労、更に水と混ぜる工程でも一苦労、そして打設でも苦労してとにかく労力がかかります。特に水と混ぜる工程は重労働で、コンクリートミキサーや生コンの購入を検討する人も多いでしょう。

本稿では特に混ぜ込む水の量に着目して、少しでも労力を減らすポイントを解説します。

水を増やした場合のメリットとデメリット

コンクリートに混ぜる水を増やすと何が起こるのでしょうか?

コンクリートひいてはセメントは水と反応することにより硬化します。ペンキや接着剤とは違って、乾燥や熱、光や空気中の湿気と反応するものとは異なります。そのためセメントに対して適切な水分量はキッチリ誤差なく決まっています。それ以上の水分を入れると、セメントと反応できなかったあまりの水分は徐々に蒸発し、コンクリート中に微細な空間を生み出します。要するに強度が落ちます。

ただし、適切な水分量を入れたセメントは粘度が高く非常に濃く硬いため施工性が下がります。特に砂利や砂が入るコンクリートでは、硬すぎて隅々まで充填できずに隙間ができてしまいます。専用のバイブレーターを使っても隙間が残ってしまい、これもまた強度を落とす原因になります。

そのため、むしろ水分量をやや多めにした方が実用的な強度が得られやすく、一般的なインスタントコンクリートなどに表記されている水分量はこのやや多めの量に設定されています。施工性と強度のバランスを取っていると言えます。鉄筋コンクリートの建築などで使用されるコンクリートの強度もこうした施工性と強度のバランスを取って混練されたコンクリートを基準にしています。

逆に言えば、基準量から水分を減らすとコンクリートの強度は上がり、増やすと強度は落ちるということができます。

DIYでは水を多めにすると楽ちん&強度も十分

さて、それではやはり基準の水分量を守った方が良いと思われそうですが、これは住宅の基礎や鉄筋コンクリート造の建物を建築する際に求められる強度を基準としています。

そのため庭の踏み石であったり、ちょっとした花壇であったり、人がたまに歩く程度のエリアであればこんな強度は必要ありません。多少水を増やして作業性を上げたところで影響は微々たるものです。特に人が乗る程度の軽歩行用途や、プランターやエアコンの室外機を置くような用途であれば、かなり水を増やしてトロトロにしてもなお十分な強度が出ます。

コンクリートはやり直しがきかないと言っても、割れたら補修材を使うも良し、モルタルで表面を仕上げ直しても良いです。日本国内ではまだまだ取り扱いが少ないですが、DIYが盛んな国ではステインや酸処理、仕上げの色粉など様々なコンクリートの表面仕上げアイテムが登場しています。日本にも少しずつは流通が始まっており、大橋塗料さん(下記リンク)などで扱いが始まっています。

大橋塗料株式会社 楽天市場店 > デザインコンクリート(モルタル装飾技法)

コンクリートの厚み

多少の強度を犠牲にして水を増やし、施工性を上げることができますが、更に厚さについてもポイントがあります。

厚さは5cmや8cm、あるいは10cm必要などといわれがちですが、人が歩く軽歩行エリアであれば3cmの厚さでも十分です。ホームセンターに行くと3cm程度の厚さのコンクリートの平板が販売されていますが、車で乗ってもまず割れることはありません。お庭に敷き詰めるブロック類も厚さは3cm~5cmが大半です。

コンクリート自体の強度もそこまで神経質になる必要はなく、水を多めに入れてトロトロにすることで、練りやすくなるし敷き詰める作業も簡単になります。逆に基準の水分量で練ろうとすると、かなり念入りに練らなくてはムラができて結果的に強度が落ちてしまうことがあります。特にDIYで手練りをする場合には容易に起こりうるため、むしろリスクを減らすためにも水分を多めにした方が良いと思います。

先ほど3cmのコンクリート平板でも十分な強度があると言いましたが、これは平板が30cm四方などコンパクトなサイズで完結しているためです。これが1辺1メートルを超えるようなサイズになると下地作りが良くない限り3cmでは耐え切れなくなります。結局のところコンクリートの割れや強度低下は、下地の変化やコンクリート自体の収縮に耐え切れなくなって起きるため、鉄筋はもとより目地を入れてやることで実際の耐久性は飛躍的に高まります。

このように目地なしで薄く施工すると割れてしまう。

目地なしの施工では厚みも重要になる。

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