【シロアリ】木のレイズドベッドの害虫対策

ガーデニング

おしゃれな見た目と高い実用性を兼ね備えた「レイズドベッド」は昨今のガーデニングやDIYブームのなかで注目を集める家庭菜園の栽培ツールです。

残念ながら日本国内ではレイズドベッドの普及と認知が進んでおらず、既製品のレイズドベッドは高価な輸入品が大半を占めています。素材は一般的な建材で使用されるガルバリウム鋼板(いわゆるトタン板)が主流であり、国内でも需要が高まれば容易に高品質なレイズドベッドが手に入るようになるでしょう。(そう信じています)

木のレイズドベッドがシロアリの標的に!?

そんなレイズドベッドを自作する際にポピュラーな方法が「木」を使って製作する方法です。国内外を問わず木を使ったレイズドベッドは一般的で、通気性の高い木材は植物の栽培にも適しています。しかし、地面と木が直接接触するため虫害を受けやすく、特にシロアリやキクイムシの仲間を始めとした木を食害する害虫には注意が必要です。

基本的に木の虫害は発生してから対策するのは困難です。

土が満たされて容易に動かすことのできないレイズドベッドでは発見も遅れがちです。そのため、しっかりと予防をする必要があります。予防さえすれば虫害の心配はほとんどないと言って良いでしょう。なぜなら木と人の共存関係の歴史は長く、それと同じだけ虫害への対抗策が研究され続けているからです。住宅のシロアリ対策を行うのと同じように、木製品への虫害対策も防虫剤を使用することで比較的簡単に行うことができます。

防虫剤の定番「クレオトップ」

そんな虫害対策製品の定番中の定番が吉田製油所の「クレオトップ」です。

株式会社吉田製油所 水性クレオトップ(公式製品ページ)

簡単に特徴をあげると

  • 防虫効果が高い
  • 防腐効果まで高い
  • とにかく安い
  • 粘度が低く作業性が良い

こんな感じで良いことづくめです。何より低価格というのがポイントが高いです。また、粘度が低くほとんど水と変わりありません。そのため伸びも良く作業性が良いのもうれしいポイントです。油性は独特のにおいがありますが、水性であればほとんどにおいを感じません。

試験結果によると油性・水性による効果の違いはほとんどありません。レイズドベッドでは植物の世話をする際にレイズドベッドに傷が入ることも多いですから、浸透性の高い油性の方が安心感があります。ただ臭いが気になる方は無理に油性を使う必要はないでしょう。

1Lあたり500円を切る低価格で、とにかく木と土が触れるシチュエーションに強いです。レイズドベッドにうってつけといえます。気になるシロアリについても効果を明示しており、土中に埋めた木の劣化について試験結果も公表されています。

木の塗料を調べるとよく出てくるのが防腐塗料ですが、防腐剤と防虫剤では成分が異なり、更に防虫剤のなかでも甲虫類であるシロアリやキクイムシに効果を発揮する成分は限られます。ウッドデッキに適した塗料が、レイズドベッドに適しているとは必ずしも言えないわけです。

ペンキによる虫害対策

木の質感を重視しない方にとっては、浸透系のクレオトップを始めとした防腐・防虫剤よりもただの「ペンキ」などの膜を形成するタイプの塗料が気になる方もおられると思います。

成分によって硬化後の性質は異なりますが、水分を含みやすい木材にペンキを塗った場合、水分や温度変化によって塗膜が膨らんだり破れることがあります。また、レイズドベッド内の植物の手入れをするためにシャベルなどを使えば、簡単に塗膜を傷つけてしまいます。

シロアリはともかくキクイムシに関しては一般的なペンキの塗膜は容易に食い破ることが知られており、塗膜の劣化や破れなどに気が付ける外観部はともかく、レイズドベッド内側には適しているとは言えません。

紫外線による外観部の劣化

レイズドベッドの内側や底面は常に土に接しており、木にとって劣悪な環境のように思えます。それは事実ですが、実際にはこれまで紹介している防腐剤や防虫剤を使用すれば腐食による劣化をほぼ抑えることができます。例えば腐食に弱いとされるSPFや杉などのホームセンターで手に入りやすい針葉樹を使用した場合でも、5年程度はほとんど目に見えた劣化はありません。適切に再塗装を施せば、10年以上を優に超えて使用することができます。

一方で、レイズドベッドの外側は温度・湿度変化が大きく直射日光も浴びるため木の成分が分解されて劣化が進みやすいです。これは全くの無塗装状態の木材であっても同じことなのですが、実は木の劣化で最も顕著なのは紫外線による劣化です。具体的には古材や枕木をイメージするとわかりやすいのですが、木の表面が部分的に劣化することでデコボコとした表面になります。

こうしたデコボコした表面は木の自然な風合いを強調させてくれるため、人によっては好ましくさえ思うでしょう。また、この手の劣化は太陽光を直接浴びる表面に限られており、強度に大きな影響を及ぼしません。

もし気になる場合にはペンキを塗ったり、透明に仕上げたい場合には屋外用の対候性のあるニスを使用すると良いでしょう。

アサヒペン 水性屋外用ニス(公式製品ページ)

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