ホームセンター木材から卒業したい人のための無垢材の始め方

木工

DIYの第一歩として頼りになるのがホームセンターです。

SPFなどの集成材から、乾燥済み・プレーナー済みのADPやKDP材、そして土木や建築全般で使用される未乾燥の荒材あるいは生木まで幅広いラインナップがあります。また各種合板などの木質材料や店舗によっては桐、アカシア、松、桧といった各種集成材も取り揃えています。

しかしホームセンターで取り扱いがある木材は、安定した品質と供給が可能でなおかつ需要が得られやすい安価な木材が多く物足りなさを感じる方も多いと思います。例えばクルミ、サクラ、カエデ、トチ、クス、ケヤキ、クリ、ナラなどの美しく特徴的な見た目の広葉樹類やエキゾチックな南洋材の扱いは少ないものです。こうした木材は高価だし買い方も選び方もわからないという方に向けて、実際に私も頻繁に利用する方法をなぞりながら解説します。

タイトルにある「無垢材」とは、ホームセンターに売られている建材用の杉や桧も該当しますが、適当な言葉が見つからずこのような表現をしています。以降も、ホームセンターなど一般的に取り扱いの少ない広葉樹類や銘木類をまとめて「無垢材」と表記します。

誰でも簡単な無垢材の購入方法

まず始めに無垢材を購入する最も簡単な方法が「ヤフオク!」を利用することです。

多くの材木店が出品しているほか、造作や建築業で扱う木材のなかで使い物にならないものも多く出品されており、非常に質の高い銘木と呼べるような木材から、節や皮の入りなど難点があるものの非常に安い木材まで幅広く出品されています。その他オークションサイトや、材木屋さんの店舗ホームページやSNSなどからの購入もできますが、一括して検索して希望に合う木材を探すのであればヤフオク!が簡単です。

具体的には以下のカテゴリーをチェックすると、魅力的な木材が多数出品されています。

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多少の難点さえ受け入れれば、ダイニングテーブルの天板に使用できる分厚く大きな一枚板ですら5000円程度から手に入れることがあります。

多くの出品者さんは、小規模な事業者であることが多く、気に入った出品者さんを見つけた際には直接要望を伝えたり、出品物以外の商品も含めてまとめ買いしたりと融通を効かせてくれることも多いです。

無垢材の選び方

ヤフオク!からたくさんの無垢材を見つけることができたので、次は選び方を解説します。大前提として自身が希望したサイズや見た目を優先するのですが、その上で気を付けたいポイントを解説していきます。

ポイント1.プレーナー仕上げが済んでいる木材を選ぶ

最も重要なポイントは1面以上のプレーナー仕上げが済んでいる木材を選ぶということです。

プレーナー仕上げとは、機械を使ったカンナ仕上げのことです。プレーナー仕上げ済みの面は綺麗な平面が出ています。全面のプレーナー仕上げが済んでいれば、仕上げ済みの隣り合った面同士は直角も出ています。無垢材は乾燥とともに反りが出たり、安価なものでは表面仕上げが済んでおらず自身で電気カンナをかけたり根気のいるやすり掛けを行う必要があります。こうした手間をかけたくない場合や、電気カンナや自動カンナなどの機械を持っていない場合には全面あるいは必要な面にプレーナー仕上げが済んだ木材を選んでください。

プレーナーは平らな面しかかかりませんので、基本的に広い板や耳がある板であれば裏と表の2面。角材では4面すべてにプレーナー仕上げが済んでいると非常に扱いやすいです。

ただしこうした仕上げ済みの木材は高価なこともあるため無垢材を扱っていくのであれば電気カンナや自動カンナの導入を検討すると選択肢が広がります。また、出品者側でプレーナー仕上げのオプションを用意していることも多いので、依頼することを検討しても良いかもしれません。

プレーナー仕上げで一番難しいのが、最初の1面の平面を出すことです。すべての面が凹凸している中で、一面だけでも平面が出ていれば、その面を基準に切断したりカンナ掛けをすれば次の面の平面と直角が出せます。2面のカンナ掛けができれば、あとは続けて3面、4面と全面のプレーナー掛けが比較的容易に行えます。とにかく最初の1面は難しいので1面だけでもプレーナー仕上げができている木材を選ぶと手間がグッと抑えられます。

ポイント2.カットや加工サービスの利用を検討する

小さな木材であればともかく、大きな木材を購入する場合にはカットやプレーナー仕上げといったオプションサービスの利用も検討してみると良いでしょう。

大きな木材は重く取り扱いが大変です。またある程度希望サイズまでカットすることで送料が安価になる可能性もあります。特にダイニングテーブルに使用するような40mmや50mmなど分厚い板材を丸ノコでカットしようとすると、18Vの丸ノコに新品の縦挽き刃を装着してもそう簡単には切り進められません。単純なパワー不足もありますが、大きな板材は切り進んでいる途中で反る力がかかって刃を加えこんでしまいます。くさびを打ったり何度か戻って切り直していく必要があります。

ポイント3.同梱可能な商品をチェックする

木材は基本的に重く大きいため送料がかかりがちです。近隣の出品者であれば直接引き取りを検討したり、同梱できるギリギリまでまとめて購入するなど工夫をすることで送料を圧縮することができます。

ポイント4.死に節と虫食い

無垢材の品質はホームセンターに並ぶ木材とは違って一点一点差があります。木目や節などの目に見える部分は好みで選んで構いませんが、一応気を付けておきたいのが「死に節」と「虫食い」です。

「死に節」はその名の通り節は節でも既に死んでしまっている節です。下の写真を見比べてもらうとわかりやすいですが、左側は生きた節、右側は死んだ節です。厳密には死んでいるわけではなく木の白太や樹皮に近い状態ですが、こうした節はグラグラとして強度が非常に低かったり、抜け落ちて穴になってしまう場合があります。

生き節の例死に節の例

もちろんこれも無垢材特有の「味」ではあるのですが、これを理解していないと狙った仕上げにならない可能性があります。透明な樹脂などで死に節の状態を留めて補強したり、パテで埋めたり、節を抜いて埋め木をするなど対策が必要になります。

「虫食い」も同じく虫が食いあけた穴のことです。

木はシロアリやキクイムシなどによる虫害を受けやすく、特に白太や樹皮に近い耳の部分は虫食いの被害が出やすいです。購入した木材のなかにキクイムシが潜んでいるなんていうことも珍しくありません。キクイムシの対策はこちらの動画で詳しく解説していますが、奥に潜んでいて目に見えてわからないこともありますので、購入後は念のために駆除と予防処置を施すと安心感が高いです。

その他の難点まとめ

割れ木の縦方向に生じる割れです。乾燥時に生じることが多く、割れが進行する場合もあります。よくチギリなどを使って処置をして使用されます。割れたまま使用しても見た目ほど問題ありません。 
反り乾燥時に生じる反りです。プレーナー仕上げをすることで反りを綺麗に取り除くことが出来ます。
毟れ(むしれ)木材の管理や切断時に無理に力がかかることで生じる木の毟れです。見た目が悪くその部位は切り落とさないと使い物にならないこともあります。 
木の枝などが伸びていた跡である節です。節は硬く切断や加工時に苦労することもあります。見た目のアクセントとなるためあえて節のある木を選ぶこともあります。 
葉節節のなかでも細かく密集しているもので、個人的に気持ち悪いので絶対に避ける節の種類です。 
主に節などが原因となってできた木の穴です。貫通している場合とそうでない場合があります。
虫食い虫によって出来たと思われる小さめの穴全般を指します。虫が中に潜んでいる場合やいない場合があります。
カビ・変色カビやその他の反応によって生じた変色です。表面を削っても取れない場合があります。
日焼け部分的に直射日光に照らされ続けて生じる日焼け(色の変化)です。
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