工具の大半はコードレスのバッテリー式(以下バッテリー工具と表記)とコードをつなぐAC100V(以下100V工具と表記)の2つの選択肢があります。バッテリー式の方がコードがないため取り回しがよく便利ですが高価になります。また、バッテリーのため充電切れになれば使用できず工具によってはコードがあっても別に不便ではないものもあります。これらは使用するシチュエーションや用途によっても異なりますが、一般的な事例を紹介します。
まず始めにバッテリー工具のメリットは以下の通りです。
- 線がないことによる取り回しの良さ
- 電源がない場所でも使える
- 電源の抜き差しの手間がない
- 電源コードを誤って傷つける心配がない
基本的にはバッテリー工具のメリットは利便性に尽きます。利便性を得られる反面、工具はやや高価でなによりバッテリー自体が非常に高価です。パワーも100V工具に劣ることが多く、特にバッテリー残量が減ってくると顕著にパワーが低下します。
そのため同じ場所で使用する工具や複雑な動きをしない工具では必ずしもバッテリー工具を選ぶ必要はありません。例えば趣味の木工であればそれほど広い作業場があるわけでもありません。作業台も1つか2つしかないことが多いと思います。こうしたシチュエーションでは工具を使用する時の定位置が決まっていることが多いです。例えば丸ノコは代表的な例です。丸ノコは真っすぐ動かすことしかしないため、コードがそれほど邪魔にはなりません。それに加え、丸ノコは18Vでもパワー不足で刃が止まることがあります。多くの場合はバッテリーの残量が低下していたり、刃が切れなくなっていたりすることが原因ですが、100V工具であればこうしたパワー不足に悩まされることもありません。
一方でトリマーやジグソー、サンダーなどは複雑に動かしたり回したりとコードが絡まってきたり、うっかり工具と触れてコードを傷つけてしまう恐れがあります。そのため使用頻度が高い場合にはバッテリー工具を検討しても良いでしょう。ただし、使用頻度が少ない場合には価格に見合った利便性は得られないため、安価な100V工具を使うのも良い選択肢です。また、サンダー類に関しては集塵ホースをつなげることが多く、結局バッテリー工具にしても集塵ホースがつながっているので100V工具と使い勝手が変わらないというケースもあります。
バッテリー工具は多くの場合、100V工具の3~4倍(バッテリー含む)という価格設定をされており大変高価です。また肝心のバッテリーが高価であり消耗品でもあります。寿命を迎えたバッテリーを買い替えることを加味すると実際の価格差は更に広がります。限られた予算のなかで木工を楽しむには、適材適所で使用するシチュエーションにあわせた選択が必要です。