【木工Q&A】屋外用の木部保護塗料はなぜ浸透系が多いの?

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屋外用の木部保護塗料は基本的に木材に浸透して効果を発揮します。もちろん屋外用のニスやペンキも木部の保護に使用できますが、いくつかのデメリットがあるため浸透系の塗料がその大半を占めています。

1.木材の質感を損なう

浸透系の塗料が使用される一番大きな理由は、ニスやペンキを塗ると木材の質感が損なわれるためです。

そもそも現代において木材は対候性に優れた素材とは言えません。樹脂やアルミを始めた金属、石材や焼き物など木材に比べて高い対候性を示す素材はたくさんあります。そんななかで木材をあえて選んでいるにもかかわらず、その質感を損なう塗料が敬遠されるのは致し方ないのかもしれません。

2.メンテナンスが困難

浸透系の木部保護塗料は定期的に重ね塗りすぐことで効果を維持し、木部を長く守ることができます。しかし、ニスやペンキは重ね塗りをすると見た目が非常に悪くなるため綺麗な仕上をしようとすると既存の塗料をすべて落とす必要があります。これには大変な手間がかかり、ものによっては一度すべて分解する必要があるなど現実的ではありません。

そのため屋外で使う家具やウッドデッキ、フェンスといった入り組んだ部分のある大きな構造物にはあまり適しているとは言えません。逆に小物類やオーナメントなど小さなものや極めて平坦かつシンプルな構造物であればそれほどメンテナンスは難しくありません。

3.虫害に弱い

木材は腐食や紫外線による劣化以外にも、キクイムシやシロアリを始めとした虫による食害に遭いやすい素材です。一般的なニスやペンキなどが硬化した後の塗膜は虫害により食い破られることがあります。また、一部の塗膜が剥がれてそこから虫が入り込み、気が付かないうちに内部がぼろぼろになる可能性もあります。

屋外用の木部保護塗料は防虫成分が添加されたものが多く、浸透する特性から一部が傷ついた程度では防虫性能が極端に低くなることもありません。

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