【木工Q&A】ニスの種類はどうやって選べばいい?

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木を仕上げる定番の塗料であるニスにはいくつかの種類があります。それぞれ違った特性があり、必要に応じて使い分けることでより良い仕上がりが得られます。ニスは基本的に「樹脂」と「溶剤」で構成されており、「樹脂」がニスの種類を分ける大きなポイントです。また「溶剤」は大きく分けて油を使った油性ニスと水を使った水性ニスに分類できます。

樹脂について

ニスは樹脂と溶剤で構成されており、溶剤(乾性油や水)が揮発することで樹脂だけが残り樹脂の塗膜を形成します。この樹脂には「アクリル」「ウレタン」「ラッカー」「シェラック」などの種類があります。

アクリルは他の樹脂に比べると耐久性やツヤで劣りますが安価で臭いが少ない点が特徴です。ただし、最近ではウレタンニスの価格も下がり、ほとんど価格差がなく優位性はあまりありません。標準的な耐久性やツヤを有していますが、耐水性や紫外線には弱く屋内の家具などに使用されます。

ウレタンは近年のニスの主流で高い耐久性が特徴です。また製品によっては添加剤を付与することで防カビ性や対候性、紫外線への耐性を有しているものもあります。光沢もツヤなしから半ツヤ、3分ツヤ、ツヤありなど選択肢の幅が広いです。特に2液性のウレタンニスは非常に高い耐久性や耐熱性、対候性などを得られやすく、耐久性の求められるシーンでは2液性のウレタンニスが重宝されます。

ラッカーは乾燥が早くツヤも強い反面、ムラができやすく扱いに慣れが必要です。小物などをラッカーニスのスプレーを使って少し塗る程度であれば、簡単にツヤが得られて乾燥も早いため扱いやすいです。

シェラックは昆虫由来の昔ながらのニスで、ツヤや耐久性では近年登場している製品に劣りますが、乾燥が早く透明感が高いため重ね塗りすることで十分なツヤが得られます。溶剤が限られるもののアンティーク家具の修復などにはいまだにシェラックニスが使用されることがあります。日本国内では「セラック」と表記されることもあります。

アクリルニスの例ウレタンニスの例ラッカーニスの例シェラックニスの例
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溶剤について

水性ニスは溶剤の臭いが少なく色味も透明感が高いため、特に趣味の木工の世界では水性ニスがよく使用されます。水性塗料の黎明期には「水性は弱い」などと言われたり、価格も高かったりしましたが、今では価格差もほとんどなく特別な理由がない限り油性ニスを選択する必要はありません。ただ油性ニスは僅かに飴色をしており、水性の着色ニスを使ってもなかなか出ない温もりある仕上がりになります。

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