【木工Q&A】食器洗い乾燥機に耐えられる木の仕上げは?

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木工作品に食器洗い乾燥機(以下「食洗器」と表記)は大敵です。食洗器は通常の洗剤とは異なる強いアルカリ性の洗剤を使用し、水と熱を活用して油汚れを洗い流します。そのため基本的に木製品は食器洗い乾燥機の使用不可とされています。

実際のところ、木製品を食洗器で使用しても早々問題が生じることはありません。元々木は熱に弱い素材ではないからです。ただし、オイル仕上げを始めとする塗膜を形成しない塗料は数回~10回程度の洗浄で洗い流されてしまいます。またニスに代表される塗膜を形成する塗料のなかにはエポキシ、ウレタン、エナメルなどの耐熱性や高い耐水性を持った塗料も存在します。

木部用塗料として代表的で入手性も良い代表製品がアサヒペンの2液ウレタンニスです。

耐熱性、耐水性に関しては水性塗料のなかでも主剤と硬化剤がわかれた2液性が優位にあることが多く、食洗器に強い塗膜を得る場合には2液性の塗料が推奨されます。

ただし、強力な洗剤と熱湯・熱風・水流による影響は塗膜より先に木自体に影響を及ぼし、割れや反りが生じます。そのため塗装の下地仕上げが悪い場合には早々に塗膜が乖離を始め、完璧な下地仕上げをしたとしても木の変形により塗膜の維持が困難です。塗膜が部分的に乖離した場合、全体を研磨して元の塗料を完全に落として再度仕上げる必要があるため大変手間がかかります。

そのため食洗器を使用する場合には、食器に使用しても安全なオイルを使用して仕上げを行い、オイルが落ちて木の表面が乾燥し始めたらメンテナンスとしてオイルを塗り直す方法が最もベターな選択肢と言えます。

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