大きな木を縦に切るのは大変な挑戦のひとつです。
合板のように薄くて軽い素材であれば丸ノコやテーブルソーを使って簡単に切断することができますが、テーブルの天板に使うような大きく重い木材ではそうもいきません。天板に使用するような1枚板は重量が50kgを超えるようなものも当たり前に存在して、運ぶだけでも一苦労です。
こうした木材をカットする場合に候補に挙がるのが「丸ノコ」「テーブルソー」「バンドソー」の3つの工具です。
丸ノコ
手持ちの丸ノコはこうしたヘビーな作業に不向きと思われがちですが、木材自体が重すぎて動かすのが困難なレベルになると工具側を動かせる丸ノコが最も汎用性が高い選択肢になります。
もちろん厚くて大きな木材をカットする場合は一度に切るのではなく、少しずつ深さを変えて複数回に分けて切断します。刃も縦に挽く場合には刃数の少ない縦挽き用を選ぶと抵抗が少なくカットしやすいです。
カットする際は定規をしっかりと固定して送ります。できるだけ刃の直径が大きな丸ノコが望ましいです。またこうした直線切りに特化したプランジマルノコやトラックソーと呼ばれる工具も存在しますが、一般にはあまり流通しておらずやや高価です。集塵性も良くグリップも大きいうえ始動してから刃を深く沈めていくため作業性・安定性も良好です。
テーブルソー
テーブルソーは大きな木材のカットにも適していそうですが、木材を送るためのフェンスは強い力がかかると容易に動いてしまうため非常に危険な作業になります。また重くて大きな木材は真っすぐ送り出すだけでも力が必要なので、送るスピードの微調整ができず気付かず斜めに送ってしまうこともあります。国内でよく見かける255mm程度のチップソーとDCモーターの組み合わせでは、パワーも不足しており厚くて大きな木材を1発でカットするのは難しいです。
もしテーブルソーで作業する場合には以下の3点を確認したうえで慎重に作業する必要があります。
- フェンスに角材などをあてがってクランプなどで入念に固定する
- テーブルを綺麗に清掃しワックス等で滑りを良くする
- 縦挽き用のチップソーを使用する
バンドソー
バンドソーは丸太の製材にも使用される工具ですが、国内で流通している家庭用電源(単相100V)のバンドソーはテーブルが小さく刃の幅も狭くパワーもないため大きな木材の切断には適していません。大きな木材を薄くスライスしたい場合などはバンドソーが適していると思われがちですが、20インチを超えるような大きなバンドソーを持っている場合以外はある程度無駄が出てしまいますが丸ノコを検討した方が良いです。