自作ルーターテーブルは趣味の木工における定番の自作ツールのひとつです。私はこれまで作っては不便な点に気が付いて作り直し、今回で実に4度目の作り直しをすることになりました。きっかけはルーターテーブル用の古いルーターの不調でしたが、4度目の作り直しにして自分の用途や環境にマッチしたルーターテーブルを製作することができました。
4度に渡る作り直しを経て、ルーターテーブルへの知見も深まり、特に狭い作業部屋で四苦八苦している人に最適なルーターテーブルの結論を得られたと思います。ポイントは据え置きにするか収納できるポータブル型にするかです。
据え置き型とポータブル型の違い
据え置き型のルーターテーブルは作業台の天板にルーターを埋め込む方法で、使いたい時にすぐに使用することができる点が大きなメリットです。そのためルーターテーブルの使用頻度が高い方にとっては据え置き型はメリットが大きくなります。また作業台にルーターが埋め込まれている様子はそれだけで満足感を得られるものですが、もちろんデメリットも存在します。
ルーターテーブルでは巾木や家具のモールディングなどを切削するために長い角材を加工することも珍しくありません。例えば2mの木材を加工するのであれば、材料を送り出す手前と奥で合計4mの空間が必要になります。(実際にはもう少し必要)
そんなときに作業台に埋め込むルーターテーブルでは移動が容易ではありませんし、ルーターテーブルの前後に十分なスペースを確保できないこともあります。また、前後方向に十分なスペースを確保できたとしても、テンプレートを使用した加工などでは前後左右方向に大きなスペースが必要になることもあります。作業場に十分なスペースがあれば良いのですが、残念ながら狭い作業場では製作途中の家具の部品がクランプされていたり、乾燥中の部品があったり、材料が積み上がっていたりして十分なスペースを常に確保することは難しいです。
そんな時にポータブル型であれば、その時空いている場所に設置して使用することができます。
それ以外にも、据え置き型のルーターテーブルは貴重な作業台の面積の一部を占有してしまいます。通常であれば作業台ごとドリルで穴を開けたり、丸ノコの刃が入っても問題ありませんが、ルーターが埋め込んである一帯はこうした使い方をしないように常に気を配る必要があります。
私はルーターテーブルの使用頻度がそう多くないものの、なくてはならないツールのひとつでした。しかし材料を送るためのスペースを確保するのがいつもストレスで、できるだけ手持ちのトリマーやルーターだけでことを済ませようと工夫してきました。
これまで昔からよく見かける自作ルーターテーブルの定番、ともいえる形状にこだわってきましたが、これを機に自身の用途や狭い作業場という環境にマッチしたポータブル型のルーターテーブルに作り替えることにしました。
着脱の容易さにこだわったポータブル型ルーターテーブル
これまでのルーターテーブルは据え置き型だったためにルーターテーブル用のルーターと手持ちで使用するルーターの2台を所有していました。しかし、ルーターテーブル用のルーターが不調になったことや、使用頻度も考えて1台でルーターテーブルと手持ちを兼用しようと考えました。
基本的にルーターテーブルは金具で天板にルーターを固定したり、ボルト止めしたりします。私の使用する日立・M12SEでは純正でルーターテーブル化できるオプションが用意されていますが、金具でルーターを抑えるだけの簡易的なものです。これをマネしてもよかったのですが、より着脱に便利な方式を考えてガイドレール用の穴を活用することにしました。