ニス仕上げは「車用コンパウンド」で劇的に改善する

木工

木のニス仕上げといえば一般的な仕上げ手法ですが、実際にニスを使ったことがある方は意外と難しと感じたことも多いはずです。よくある失敗例は2つあり、1つ目は表面がザラザラすること、2つ目は塗装面がガタガタで汚いということです。いずれも根本的な原因は同じで、塗装に関するノウハウがないと綺麗に仕上げることは難しいのですが、できるだけ簡単かつ綺麗な仕上げの手順はこちらの記事で解説しています。

さて、今回はそれなりに満足できるニス仕上げはできたものの、表面のツヤツヤ・スベスベとしたガラスのような平滑感が物足りないと思われる方に車用のコンパウンドをおすすめしたいと思います。

車用のコンパウンドとは

ニス仕上げの表面の質感をより高めたい場合には、非常に細かい番手のやすりをかける必要があります。ここでいう細かい番手は2000番以上の本当に細かい番手です。ニスで仕上げたあとに400番、600番、800番と仕上げていくのはあまりにも大変です。さらに通常のペーパータイプのやすりでは2000番で磨いてもまだやすりの傷があって透き通るような透明感は出せません。

そこで、仕上げたニスの上から車用のコンパウンドを使うことで表面のツヤ感を劇的に向上させることができます。使用するのはホームセンターやカー用品店などで手軽に手に入る車用のコンパウンド(液体の研磨材)で、「粗目」などと表記がある製品が望ましいです。コンパウンドにも粗目・中目・細目のように段階がありますが、手触りを良くするのであれば粗目だけで十分です。

コンパウンドは液体タイプの研磨剤で、身近なものでいうとクレンザーなどの洗剤に似たものです。サンドペーパーより更に繊細な研磨と美しい仕上がりが期待できます。

コンパウンドを使ったニス仕上げの方法

コンパウンドを使ったニス仕上げの手順は非常に簡単です。

ある程度綺麗に仕上がったニスの塗膜の上に、コンパウンドを適量垂らします。多すぎると飛び散りますが、少ないと塗膜が傷つくため気持ち多めに使用すると良いです。20cm四方あたり大さじ1杯分くらいが目安です。

タオルやウエスなどを使用して手で磨くこともできますが、木の仕上げによく使われるランダムサンダーを使うこともできます。もしあればポリッシャーが最適です。ランダムサンダーを使う場合には、フェルトパッドなどの穴のないパッドを使うか、1500番以上の細かい番手のサンドペーパーを使用します。穴ありのパッドを使う場合には集塵用の穴をテープで塞いだり、ペーパーをずらして穴がコンパウンドを吸わないように工夫します。

軽く数回、満遍なく往復させればコンパウンド掛けは完了です。綺麗なペーパーやウエスでコンパウンドをふき取ると、ツヤツヤな表面が得られます。

本当の美しさとはちょっと違うコンパウンド仕上げ

この方法は美しい仕上がりの基準である塗膜の平滑さをある程度妥協して、手っ取り早く表面のツヤツヤ感・スベスベ感を得る方法です。

本当に平滑で美しい面を得るには、粗い番手から順々に研磨を行い、塗装を繰り返して、最後に複数の番手のコンパウンドを使った仕上げが必要になります。そうはいっても木のニス仕上げくらいであれば、そこまで多くのステップを踏まなくても手で触って、目で見てわかるような仕上がりが得られます。

ニス仕上げをした後に表面の僅かなザラつきや、ツヤツヤ・スベスベとした手触りが物足りない場合には是非試してみてはいかがでしょうか?

おまけ・さらにワックスで仕上げる

コンパウンドを使用して仕上げた塗装面も、厳密には平滑とはいえません。そこで最後にワックスをかけて綺麗にふき取ると、更にもう一段仕上がりが良くなります。

ワックスは蜜蝋や木材仕上げ用のワックスである必要はありません。ニス仕上げを終えた木の表面は樹脂の層ができていますから、床用や車用のワックスでも構いません。

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